TwinCAT runtime for real-time Linux®により、リアルタイム制御の新たな可能性を切り開きます。1台の産業用PCで複数のTwinCATランタイムを実行できるため、ユーザは1台の高性能PCで異なるシステム要素を組み合わせ、プログラミングと診断を効率化できます。また、リアルタイム環境からGPU(グラフィックカード)に直接アクセス可能で、ビジョンなど特に演算量の多いアプリケーションでハードウェアアクセラレータとして機能します。
TwinCAT runtime for real-time Linux®は、ベッコフ独自の Linux® ディストリビューションをベースとし、従来のWindowsやTwinCAT/BSD OSを拡張するものです。このディストリビューションは、フリーのDebian OSを使用して開発され、ランタイムのリアルタイム実行のためのLinux®リアルタイムカーネルが標準で含まれています。Debian パッケージシステムを使えば、追加ソフトウェアのインストールも簡単です。
これらの組み合わせにより、Linux®プラットフォーム上でTwinCATランタイムによる安定したリアルタイム制御が実現します。Docker®、Podman、LXCなどのコンテナ技術を使用することで、複数のTwinCATランタイムを単一のIPC上で実行し、機械やその他の制御アプリケーションのモジュール化が可能です。1台の産業用PC上で複数のTwinCATランタイムを個別に実行することで、ハードウェア統合が容易になり、演算効率が向上するため、コスト面でも有利になります。
Linux®ユーザは、使い慣れたTwinCATでのプログラミングはそのままに、オートメーションの新しい可能性を活用できます。主なメリットは、1つのCPU上で複数のリアルタイムアプリケーションを最適化して実行できること、モジュール化された制御コードによりユーザの柔軟性が向上すること、アプリケーションモジュールの追加や交換が簡単になること、各アプリケーションのアップデートを個別に実行できることなどが挙げられます。エンジニアリングにかかる時間とコストの両面で、全体的な投資削減も期待できます。
TwinCAT runtime for real-time Linux®は、新しいARMベースのCX82x0およびCX9240 組込み型PC(ARM Cortex™ A53 CPU搭載)から利用可能になる予定です。その後、順次ベッコフのすべての産業用PCおよび組込み型PC向けに展開予定です。
Asuka Ohno
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